これをやったら二次試験は不合格!(10):衝撃!○○欄を間違えるなんて・・
こんにちは、ブルペンエース@タキプロです。
本シリーズでは、二ヶ月半に渡り、二次試験でやってはならないことをテーマに、本試験の際、ブルペンエースが実際にやらかしてしまった事故(失敗)をご紹介して参りました。
明後日の本試験では、私と同じような事故(失敗)を起こさないように気を付けてくださいね。もし、読者の皆様の失敗や失点を少しでも防ぐことができたとするならば、タキプロのメンバーとして嬉しいです
最終回の第10回は、「衝撃!○○欄を間違えるなんて・・」についてお話ししたいと思います。
平成23年10月23日(日)、一年に一度やってくる審判の日。私は4度目の中小企業診断士二次試験に挑戦しました。勉強を開始した時に幼稚園生だった長女は小学校3年生。勉強開始の1か月後に産まれた長男は既に4歳。鏡に映る自分はずいぶんと髪の毛の生え際が上がってしまった34歳になってしました
「ほんとは、もっと子どもたちと遊びたかった」
「いろんな場所に連れていってあげたかった」
「たくさんの絵本や本、紙芝居だって読み聞かせたかった」
中小企業診断士試験に挑戦することで、諦めなければいけなかったこと。犠牲にしたこと。失ったものの多くは、家族にまつわるものばかりでしたそれでも応援してくれた妻、子どもたちに報いるためにも、「今年こそ」という強い気持ちを持って、東洋大学の門をくぐったことを覚えています
さて、第1回からお読み下さっている方はお気づきかもしれませんが、私は本試験受験時に、漏れなく、欠かさず「再現答案」を作ってきました。試験当日の夜に、片頭痛と知恵熱の合わせ技に苦しみながらも、解答骨子をもとに、パソコンで再現答案をおこしました
また、本試験中に作成する解答の骨子は箇条書きでしたが、キーワードレベルではなく、文章レベルで問題用紙に書きこんでいたことに加え、わりと記憶力が良いタイプのため、「再現答案」の再現性が、比較的高い受験生だったと思います
今回は、「再現答案」の再現性がなまじ高いゆえに起きた悲劇をお楽しみ頂きたいと思います
昨年、本試験との戦いを終え、JR水道橋駅から帰路についた車中における正直な感想は、「やりきった」、「総じて上手く対応した」、「ひょっとすれば、ひょっとするぞ」という手ごたえありというものでした
成功に安住した組織に渇を入れ、チェーン店との差別化戦略を説き、設計要員の重要性と稼動分散を提案した後、製品ラインの見直しや新商品戦略の相談に1日がかりで対応してきた私は、疲労困憊でしたが、帰宅後「再現答案」の作成に移りました
例年のことですが、再現答案を作ると、
「失敗したー」
「マジかー」
「気付かなかったー」
という残念な現実を突きつけられることになります。平成23年の試験においても、第9回でご紹介した事例Ⅱ注釈の見落とし、読み落としが判明し、大変がっかりな気分になりましたし、事例Ⅳでは、第1問設問2(a)欄のキャッシュフロー計算過程の導出及び、第3問(a)欄の貢献利益計算過程において、解答用紙に単位(百万円)を書き忘れたことに気付き、「またやっちまった・・」という暗たんたる気持ちで布団に付く羽目になりました
ただ、この手の失敗は序の口です。受験日から日後、私の長い中小企業診断士受験生活の中でも類を見ない、超大型で猛烈な失敗に打ちのめされることになるなんて、その時は夢にも思っていませんでした
二次試験から数日経過すると、速報ベースの模範解答が各受験校のWEB上にアップされ始めます。この時点では、合格の可能性を疑っていないプルペンエースです。LECやTAC、大原といった各社の模範解答をダウンロードしては、通勤の往復時、自身の「再現答案」と比較するという日々を過ごしていました
二次試験が終わって5日たった金曜日の帰宅中のことです
「これはほぼ同じ方向だな」
「これは80分では書けんわー」
等々、思いを巡らせながら模範解答を読み比べていた私ですが、受験予備校の事例Ⅲ第1問に突如として違和感を感じました
「あれ」
「なんで、生産技術面の特徴が先なんだ 」
慌てて、他の受験予備校の模範解答も確認します。
「やっぱり、(a)欄が生産技術面・・」
「やばっ!!!」
自宅の最寄り駅までが、果てしなく長く感じました。足が震え、携帯を持つ手も覚束ない状態で電車から飛び降りた後、私は自宅まで走って帰り、本試験の問題用紙を探しました
「頼む」
「この間違いはしゃれぢゃ済まない」
「神様 」
ドドドドッカラカーン(大事故)
試験の問題用紙には、何度見返しても、当日の解答順に解答骨子が並んでおり、上から順に(a)欄として営業面、(B)欄として生産技術面の骨子が書き残されていました
そうなんです、私の再現答案では、(a)欄、(b)欄の回答が「てれこ」になっていたため、受験予備校の模範解答を読んだ時、違和感を禁じ得なかったのでした
内容はともかく、試験当日の再現答案を見ていきましょう。
【平成23年事例Ⅲ 第1問】
(a)自社ブランドを保有し、直接提案営業可能な施主や設計事務所等のチャネルを有する点。
(b)高い塗装技術レベルを持つことに加え、金属加工から塗装まで、一貫生産体制を有する点。
この衝撃的な事実を突きつけられた時、目の前から光が途絶え、視界は真っ暗になりました。解答欄の書き間違いにより、配点20点の第1問が吹き飛んだ瞬間です。へたへたと玄関に座りこんだ私は、その後しばらくその場から動くことが出来ませんでした
過去4年間で最大級の失敗を犯したことを自覚した私は、合格発表を迎えるまで、中小企業診断士関係の情報一切を遮断し、いじけモードに突入しました。解答欄を誤るという初歩的なミスを、1年に一度しかない本試験で、受験回数4回目のベテランが犯すなんて、俺はどうしょうもない馬鹿だ、阿呆だと、自分を責める日々を過ごすことになりました
第10回の失敗事例から学ぶ教訓
その : (a)欄へ(b)欄になど、解答方法の指定をよく確認する。
その : 解答を書き始める前にも、記入する解答欄に誤りがないか、指差し確認する。
第9回と第10回では、合格年度に発生した事故(失敗)をご覧頂きました。自分のことを人間失格、受験生の資格なし、と罵りつくした平成23年の本試験。それでも合格できたという私の実例から、以下の二点を紹介して差し支えないのではないでしょうか
第10回の失敗事例から分かること
その :解答欄を間違え、1問がまるまる0点になっても合格のチャンスがある試験らしい。
その :過去に、1問まるまる白紙で提出しても、合格した人がいる(何人も)試験らしい。
上記から、予期せぬ事故(失敗)は誰にでも起こりうる。ただ、その事故だけをもって、合格を諦める必要はまったくない。最後の一字一句まで、粘って粘って、考えに考え尽くすことが、合格を手繰り寄せる秘訣であると換言できるのではないでしょうか
「作問者に負けないこと」
「考えることを投げ出さないこと」
「与件から逃げ出さないこと」
「最後まで自分を信じぬくこと」
それが二次試験では、大事なんだと思います。失敗をし尽くしてきたけど、やっと合格できたブルペンエースから、皆様へのエールとさせて頂きます
最後に、第1回~第10回まで書き連ねてきた教訓のうち、試験会場での心構えに関係しそうなものをまとめましたので、会場に向かう電車の中ででも、もう一度目をとおしてみてください。皆様の健闘を、心からお祈り申し上げます。
全10回の失敗から実例学ぶファイナルペーパー替わりの注意書き
二次試験は平常心で受けなければならない。
試験開始直後のルーティンとして、まずは受験番号を書き入れることを肝に銘じ、そして実践する 。
事例Ⅰの社長は組織・人事について分析、助言を求めている。
事例Ⅰで、流通マーケ、生産事例で出題されそうな業種、業態の時こそ学習と成長の視点を忘れそうになるので要注意!
事例Ⅱで、あらかじめ用意した切り口(解答フレーム)を過信しない。
事例Ⅱで、複数の設問間の切り口を合わせることが必要な事例がある。
事例Ⅲで、解答に困った時も苦し紛れで適当な生産キーワードを使わない
経常利益ベースのCVPでは、営業外損益を固定費として取り扱う。
その年一番簡単な計算問題だけは絶対に当てる。
※周りの人が解けている問題を落としてはならない
経営指標は、収益性、効率性、安全性の観点で被りなく選定する。※同じような特徴を持つ指標を二つ並べて選択しない。
小数点の処理は、与件、設問のどこかに必ず書いてあるので読み落とさない。
勝手に解釈し、思い込みで自分だけの解答ルールを作らない。
※国家試験です。公平を期すため、与件、設問に必ずヒントがありますし、解答の前提条件が記載されてます。
中小企業診断士は社長の方針を貶してはならない。
事例企業の「強み」を最大限活用した、前向きな提案を心がける。
設問の注釈は解答の大ヒントである。見落しは禁物である。
雑誌やテレビで見た類似業種、業態の成功例を安易に解答の根拠としない。
(a)欄へ(b)欄になど、解答方法の指定をよく確認する。
解答を書き始める前にも、記入する解答欄に誤りがないか、指差し確認する。
【実録】「これをやったら二次試験は不合格!やっちまったシリーズ」
第1回:受験番号を書き忘れた(かも)
第10回:衝撃!○○欄を間違えるなんて・・←今回はここ
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